その他の皇族方のエピソード

てのひらは語る

昭憲皇太后 文仁親王妃殿下

皇室と福祉と言われてピンとくる人の数は、意外と多くないのではないでしょうか。しかし、よくよくTVや新聞、ネットなどの報道を眺めてみると、福祉に関する皇室の記事は結構多いものです。


光明皇后
▲光明皇后

左の女性をご存じでしょうか。奈良時代に大仏建立の詔を出し、開眼法要までこぎつけた聖武天皇の皇后である光明皇后(こうみょうこうごう)です。

光明皇后は仏教に篤く、聖武天皇に東大寺や国分寺の設立を進言しただけでなく、貧しい人々を収容し、手厚く面倒を看る施設悲田院(ひでんいん)を創設。また、病人や孤児を保護し諸国から献上させた薬草を無料で施す施薬院(せやくいん)をも開設するなど、福祉活動に力を入れた皇后です。

その精神は脈々と受け継がれ、明治になると明治天皇の皇后、昭憲皇太后(しょうけんこうたいごう)は設立されたばかりの日本赤十字社の発展に力を尽くされました。日本赤十字社の正式紋章「赤十字桐竹鳳凰章」も紋章制定の相談をお受けになったときに、昭憲皇太后がそのとき被っていた冠が桐と竹の組み合わせだったことに由来するのだとか。

赤十字竹桐鳳凰章
▲赤十字竹桐鳳凰章

現在でも日本赤十字社と皇室の結びつきは強く、名誉総裁を皇后陛下が、名誉副総裁にも皇室の方々がその名をお連ねになられています。

昭憲皇太后はまた明治45年(1912年)、ワシントンD.C.にて開催された第9回赤十字国際会議で、国際赤十字に現在の3億5千万円に相当する10万円を下賜します。
それを基に設立された昭憲皇太后基金は、昭憲皇太后の命日である毎年4月11日に世界中の赤十字社に配分され、現在も災害や飢饉などからの救済活動などに運用されています。

昭憲皇太后
▲昭憲皇太后

ここで日本赤十字社の名誉総裁をお勤めになっておられる文仁親王妃殿下(秋篠宮妃紀子さま)に話を移します。

妃殿下が最も深く関心をお寄せになる福祉のひとつが聾者への福祉です。耳が聞こえない人たちに対する福祉というものは、幅広い福祉全体から見渡せばごく限られた部分であり、国民の注目や関心を呼びにくい分野でもあります。
そういったところに妃殿下はスポットライトを当て、世間の関心を引き入れてくださる尊い存在になっていらっしゃるのです。

妃殿下が聾者のバックアップをされるようになったのは、ここ数年という話ではありません。
高校時代から手話に関心を持たれ、大学の文化祭で観覧した手話劇をきっかけに手話サークルに入って本格的に手話を学ばれるようになります。

皇室に入られてからも、妃殿下の手話を活かされた活動はもちろん続いています。
国内の聾学校や聾者やその家族のつどいなどを積極的にお訪ねになり、励ましのお言葉をおかけになられるほか、海外でも手話を用いたコミュニケーションを取られることがおありになります。

文仁親王同妃両殿下インドネシア御訪問
▲インドネシアご訪問中の
文仁親王同妃両殿下

平成20年(2008年)1月にご訪問されたインドネシアでは、御発前に文仁親王とともにインドネシアの言葉で手話を予習されてから、現地の聴覚障害者の学校ご訪問に臨まれました。

また、平成23年(2011年)1月にコスタリカをご訪問された際にお立ち寄りになられたアメリカのヘレン・ケラー・ナショナル・センターにも妃殿下の手話のエピソードが。
こちらは世界有数の盲聾者向けリハビリ研究施設。妃殿下は訓練生の手を取り、アメリカ式手話(ASL)で「Nice to meet you」と話しかけます。

当時、この施設には盲聾の福島智(ふくしまさとし)東京大学教授が在外研究のため赴任していました。センターご訪問に際して宮内庁と連絡を取り合った彼の労を、妃殿下は福島さんのてのひらに指で「き・こ・で・す。あ・り・が・と・う」と点字を打って労いになられたのだそうです。

入所者と手話でI love youのポーズをとられる妃殿下
▲入所者とご一緒に手話でI love youのポーズをとられる妃殿下

国内に目を向けると、平成21年(2009年)、「聴覚障害児を育てたお母さんをたたえる会」では、聾の人には手話で、聴者に対しては音声でそれぞれ参加者とお話しになり、親御さんにも労りの声を掛けられました。

平成22年(2010年)には、聴覚障害者の国際スポーツ大会デフリンピックに初出場した女子サッカー日本代表チームにスポットを当てたドキュメンタリー映画アイ・コンタクトを観賞の上、映画に出演した選手や監督と手話で懇談されています。
同年御成りになられた鳥取聾学校では、幼稚部卒園お別れ会にもご参加され、園児とおたわむれになるほっこりした場面が展開されました。

そして平成23年(2011年)に発生した東日本大震災において、被災地福島県南相馬市からの避難所となっていた群馬県東吾妻町の公民館や「岩櫃ふれあいの郷」にて避難民を励ましになられた際のこと。
震災のショックで声が出なくなった佐藤和香子さんに、妃殿下が「手話はできますか」とお声掛けになります。
佐藤さんがうなずいたので、手話で「声が出なくても、色々な方法で話ができますね」と抱きしめながらお励ましになられました。

数え切れないほどの手話に関するエピソードをお持ちの妃殿下ですが、最後に平成21年(2010年)に開催された第26回全国高校生の手話によるスピーチコンテスト開会式での妃殿下のお言葉の動画を紹介したいと思います。
手話と音声を併用されて、美しくも判りやすい表現で語られる凛としたお姿には、感動すら覚えます。

参考:宮内庁(http://www.kunaicho.go.jp/)
朝日新聞 2011年1月27日付夕刊
公益財団法人聴覚障害者教育福祉協会
産経新聞 2011年4月26日付


他のエピソードを読む

 


Powered By 画RSS

→ページトップへもどる

お問い合わせ・サイトのご利用条件・プライバシーポリシー・本サイトに掲載している写真について
Copyright(c)2012 皇室なごみエピソード集 All Rights Reserved